ブログを見てくださり、ありがとうございます。 もなかと申します。
20代後半のOLですが、茶道を始めて約10年になります。
日々のお稽古で学んだことや私が知っていることなどが誰かの役に立てばいいなと思いブログを始めました。
まずは私という人物について書こうと思います。
茶道との出会い
私が茶道と出会ったのは約10年前…高校の部活動です。
中学時代は軟式テニス部に所属していたのですが、運動神経が良くなく、公式の試合では3年間でたったの1度も勝ったことがありませんでした。
そこで私は高校の部活は文化部にしよう!と考えたのです。
ですが、吹奏楽部や合唱部は中学からやってきた人が多い中で始める気にはなれず、また演劇部や美術部もちょっと違うかなと感じていたときに出会ったのです…!茶道部に!!
茶道部がいいなと思った理由は、茶道の経験がある人はあまりいないので、みんな初心者で始めやすいということ。
それから、部活の時間にお菓子が食べられること!
条件だけ見れば茶道部は私が探していた部活なのですが、やっぱり実際の雰囲気がどうかというのが気になったので、部活の見学へ行くことにしたのです。
茶道部の見学に行くと、穏やかで優しそうな先輩たちが歓迎してくれて、抹茶の点(た)て方を丁寧に教えてくれました。
初めて自分で点てた抹茶と先輩たちが用意してくれた和菓子をいただきながら、「どこの中学だったの?」「中学は何部だったの?」「和菓子好き?」「茶道に興味あるの?」と先輩たちが口々に話しかけてくれて、すごく楽しく話をしたのを今でもよく覚えています。
そうして私は茶道部に入ることを決意したのでした。
いざ、茶道部に入部!
茶道部に入って初めのうちは、正座の姿勢、お辞儀の仕方、歩き方、お抹茶の点て方というとても初歩的なことを先輩から徹底的に教わりました。
また週に1回は外部の先生が教えに来てくださっていました。
茶道部あるあるかもしれませんが、先生と先輩が言っていることが異なり、先輩から教わった通りにやっていたことが、先生からは違うと指摘される…なんてこともありました。
そんなこんなで夏には文化祭が控えているので、入部してから少しすると浴衣の着付けの練習が始まります。
文化祭では浴衣を着てお客さんにお抹茶を振る舞うので、自分で浴衣を着られるようにみっちり練習しました。
文化祭での役割は、
1年生はお菓子とお抹茶を運ぶ「お運び」さん、
2年生はお茶会における司会役のような「半東(はんとう)」さん、
3年生はお客さんにお抹茶を点てる「お点前(てまえ)」さんです。
1年生のうちはお菓子とお抹茶を運ぶだけの役割ですが、お客さんにお渡しする前にお茶碗をまわすときはどっちまわしなんだっけ⁉とか、右端と左端のどっちに座っているお客さんからお抹茶を出すんだっけ⁉とあたふたしたものです。
きっちり浴衣を着て、シャンとした姿勢でお点前や半東をする先輩たちがとってもかっこよくて憧れました。
2年生になると半東という大役を任されます。
文化祭のお点前で使う道具や掛け軸、お花の名前や花入れなどを暗記してお客さんに説明するのです。
どれだけ暗記しても、いざお客さんの前に出ると、頭が真っ白になってしまうんですよね(笑)
3年生ではついにお点前をします。
先生の「間違えてもお客さんはわからないから堂々としていること!」という言葉にすごく救われました。
時には釜のお湯がぬるくて、泡が全くたたず、青ざめる場面もありましたが、とっても貴重な体験でした。
そしてついに部活を引退…。
私たちが茶道部を引退するときに外部顧問の先生が「茶道は本当に奥が深くて、40年くらいやってるけど、まだまだ勉強したいことがあるくらい!」とお話しされていました。
私はそれを聞いてこの先生のところで茶道を続けたい!と思いました。
だって、40年もひとつのことをやっていたら、もう大ベテランだと思うんです。
勉強なんてする必要ないくらい、もう知らないことのほうが少ないくらいだと思うんです。
それでもまだまだ勉強したい!学びたい!と思っている先生のもとで、茶道はもちろん、茶道以外のことも教わりたいと思ったのです。
それに先生にまだまだ勉強したい!と思わせる茶道に改めて興味が湧きました。
それで高校卒業後、先生の茶道教室へ通うことになります。
初めての濃茶(こいちゃ)…
先生の教室に通い始めてからは月に3回、真面目に精進し、様々なお点前ができるようになっていきました。
お点前を習う中で、一番衝撃的だったのは、濃茶のお点前でした。
実は、茶道で点てるお茶には薄茶(うすちゃ)と濃茶(こいちゃ)の2種類があるのです。
皆さんがご存じで、よく抹茶味のお菓子のパッケージなどにも描かれている、カプチーノみたいにふわふわの泡のお抹茶が薄茶です。
そしてお湯の量を調節し、どろどろの卵の黄身くらいの濃さで点てたお抹茶が濃茶です。
大体ですが、薄茶は抹茶約2gに対してお湯約80ccですが、濃茶は抹茶は倍量の約4gに対してお湯はなんと半分の約40ccです。(もなか調べ)
濃茶の濃さが伝わるでしょうか…?
部活では薄茶しか飲んだことがなかったので、濃茶を飲んだ時は苦さに思わず顔がゆがみました…。
でも、慣れてくると、後味は濃茶の方が甘く感じるのです。
これがすごく不思議なんですよね。
こうしてたくさんの初めてを経験を重ねていくのでした。
初めての着物、初めての研究会!
そして先生のお宅で茶道を始めて5年後、23歳の時についに、研究会デビューする時が来ます。
研究会とは、京都から厳しい修行を積まれた先生(=業躰(ぎょうてい)先生)にお越しいただき、代表者が壇上でするお点前に対して指導をしていただきます。
その指導を会場で見ているみんなで勉強するというもの。
先生から、この代表者をやってみない?と声をかけていただいたのです。
正直人前に出るのは得意ではないので、断ろうかとも考えました。
ですが、先生が
「研究会は業躰先生の指導を代表して受けられる貴重な場所だし、代表者がお点前をしてくれるから、ほかのみんなは業躰先生の指導を聞いて勉強することができるのよ。」
とおっしゃっていて、確かにこんな貴重な機会もうないかもしれない!と思い、自分を奮い立たせて、研究会に出ることにしたのです。
教室のほかの方にも協力していただき、3~4ヶ月前から重点的に稽古をしていただきました。
また、研究会でお点前をする人は着物を着る決まりなのですが、私の母や祖母も着物を全く持っていなかったため、先生に付き添っていただき、初めて呉服屋さんで着物を購入しました。
自分で選んだクリーム色の着物と同じクリーム色の名古屋帯で、お値段なんと!当時の私の給料1.5ヶ月分です!
やはりきちんとした呉服屋さんで購入すると結構しますね…。
その後、何枚か着物を購入しましたが、初めての購入した着物が今でも一番のお気に入りです!
そしてそのお気に入りの着物を着て臨む研究会…。
この時の研究会で私がするお点前は、5人1組でおこなう「花月(かげつ)」というお点前。
私以外にも4人が一緒に壇上に上がることになります。
私はだいぶ緊張しいなのですが、研究会当日は私よりも盛大に緊張している方がいて、その方を見ていたら、なんだか私は落ち着くことができました(笑)
花月のお点前は、お点前中に5人でくじを引いてお点前をする役とお抹茶を飲む役を決めるという1セットを4回繰り返すゲームみたいなお点前です。
お稽古でする分にはどの役に当たるかわからないワクワク感とドキドキ感が楽しいお点前なのですが、研究会では、当日のお点前が始まってみないと自分がどの役をするのかがわからない、研究会に出る人泣かせのお点前なのです。
ですが、研究会当日、私は4回あるお点前をする役には1回も当たらず、お抹茶を飲む役にも1回しか当たらず、なんとほとんど出番なしだったのです!
正直拍子抜けでした…。
あんなに練習したのにほとんど出番なしなんて!
くじを引くときは「緊張するから何の役にも当たるな!」と思うのに、いざ何の役にも当たらないとなると「練習したのに出番なしか…」とがっかりするという、複雑な気持ちで初めての研究会を終えたのでした。
そして現在…
高校の部活も含めれば、茶道歴は10年ほどになります。
先日、先生から「そろそろ茶名(ちゃめい)を取らない?」と言っていただきました。
茶名とは一人前の茶人(ちゃじん)になった証のようなもので、茶道の家元の「宗」の一字を取って「宗〇」と名前を授与していただくのです。
茶道をしている人に「茶名を持ってます!」と言うとおおっ!と一目置いてもらえる、そんなすごいことなんです。
最近はコロナ感染症の流行があり、数か月お稽古をお休みしていたこともあるので、もう少し先になるかもしれませんが、憧れていた茶名!私もいよいよ…!と感激しているところです。
10年茶道をやってみて思いますが、以前先生が言っていたことは本当で、茶道は本当に本当に奥が深いです。
しかも、やればやるほどわかることやできることが増えて楽しいんです。
きっと10年続けている私より、40年以上続けている先生の方が茶道を楽しんでいると思います。
お花や掛け軸、お香(こう)やお道具に季節の点前…。
1年中同じことをやっているわけではなくて、まさに一期一会なのです。
茶道は部活で始めるなどのきっかけがなければ、敷居が高く感じると思います。
でも実はそんなことはなくて。
茶道をやっている人みんながガツガツやっているわけではなくて、おいしいお菓子が目当てだったり、息抜きやリラックス、先生やほかの生徒さんとお話しするために来ていたり、いろんな人がいろんな理由で茶道をやっています。
なので茶道を始めるのもお菓子が食べたいから。お抹茶が好きだから。とかそんな理由でもいいと思います。
実際私はお菓子目当てだったので…(笑)
でも興味があってもなかなか始められない…という方もいると思うので、このブログで茶道の楽しさや奥深さなんかも伝わるように書いていけたらなあと思っています。
12月6日追記
ついに茶名を拝受しました!感激です!
↓茶名についてはこちらの記事に詳しく書いています。
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