着物の模様に込められた意味を解説!

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着物には目を引く豪華な模様からよく見なければわからない模様まで様々な模様がありますよね。

実はその模様ひとつひとつに意味が込められています。

この記事ではいくつか模様を解説していますので、着物を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

目次

着物の模様の意味と着れる季節の早見表

植物模様

植物模様イメージ模様の意味着用
季節
1.桜
さくら
「物事の始まりに縁起が良い模様」
「豊かさ」
「繁栄」
通年
2.牡丹
ぼたん
「高貴」
「富貴」
「幸福」

通年
3.藤
ふじ
「長寿」
「子孫繁栄」
4~5月
通年
4.紫陽花
あじさい
「和気あいあい」
「家族団らん」
6~7月
5.百合
ゆり
「高貴」
「威厳」
5~8月
通年
6.朝顔
あさがお
「はかない恋」
「固い絆」
「愛情」
7.向日葵
ひまわり
「熱愛」
「憧れ」
8.桔梗
ききょう
「厄除け」8~9月
9.撫子
なでしこ
「無邪気」
「純愛」
8~9月
10.萩
はぎ
「繁盛」8~9月
11.菊
きく
「高貴」
「高尚」
「延命長寿」
「邪気払い」
「心身の安定」
通年
12.紅葉
もみじ
「長寿」
「世渡りがうまく幸せになれる」
5月~夏,秋
通年
13.椿
つばき
「邪気払い」
通年
14.梅
うめ
「忍耐力」
「美」
1~2月
通年
15.松
まつ
「威厳」
「長寿」
「子孫繫栄」
通年
16.松葉
まつば
「夫婦円満」
通年

生物模様

生物模様イメージ模様の意味着用
季節
17.鶴
つる
「豊かな生命力」
「長寿」
「夫婦円満」
通年
18.鳳凰
ほうおう
「平和と幸福」
「不老長寿」
「若返り」
通年
19.兎
うさぎ
「跳躍」「飛躍」
「豊穣」
「子孫繫栄」
「物事がとんとん拍子に進む」

通年
20.蝶
ちょう
「健やかな女性への成長」
「夫婦円満」
「移り気」

通年
21.千鳥
ちどり
「荒波と一緒に乗り越える」
「勝負祈願」
「家内安全」

通年

吉祥文様

吉祥文様イメージ模様の意味着用
季節
22.松竹梅
しょうちくばい
「長寿」「生命」
「成長」「子孫繫栄」
「忍耐力」「女性の強さ」

通年
23.宝尽くし
たからづくし
「病や災難から身を隠す」
「願いを意のままにする」
「秀でた才能を得られる」
「積み重ねた苦労も福を成す」
「不老不死」
「円満が続く」など
お正月
通年
24.貝桶・
貝合わせ
かいおけ・
かいあわせ
「夫婦円満」通年
25.御所車 
ごしょぐるま
「高貴」「雅」
「幸せが溢れる」
「縁起の良さ」
通年
26.鞠
まり
「なにごとも丸く収まる」
「弾むような幸せがいつまでも続く」
「子どもが丸々と育つように」
通年
27.鼓
つづみ
「技芸の上達を願う」
「成功」
「豊作」
通年
28.扇
おうぎ
「繁盛」
「開運」
「未来への展望が明るい」
通年
29.矢絣
やがすり
「邪気払い」
「厄災を払う」
「出戻らない」
通年
30.熨斗
のし
「多くの人たちから祝福を受ける」
「人と人の繋がり」
「長寿」
通年
31.くす玉
くすだま
「延命長寿」
「無病息災」
通年
32.七宝
しっぽう
「円満」
「調和」
「ご縁がある」
通年
33.花丸
はなまる
「永遠に続く幸せ」通年
34.唐草
からくさ
「子孫繁栄」
「長寿」
「永遠の躍動」
「豊穣」
通年

有職文様

有職文様イメージ模様の意味着用
季節
35.菱
ひし
「子孫繫栄」
「無病息災」
「豊かさの象徴」
通年
36.市松
いちまつ
「繁栄」
「子孫繁栄」
「事業拡大」
通年
37.亀甲
きっこう
「長寿」
「良縁を結ぶ」
通年
38.立涌
たてわく
「運気を上げる」通年

自然模様

自然模様イメージ模様の意味着用
季節
39.雪輪
ゆきわ
「豊作をもたらす」冬、夏
通年
40.青海波
せいがいは
「未来永劫へと続く幸せ」
「平安な暮らし」
通年
41.流水
りゅうすい
「おめでたいことが続く」
「苦難や厄災を流す」
42.瑞雲
ずいうん
「不老不死」
「良いことが起こる前兆」
通年

幾何学模様

幾何学模様イメージ模様の意味着用
季節
43.籠目
かごめ
「魔よけ」
「邪気払い」
通年
44.沙綾形
さやがた
「不断長久」
「家の繁栄」
「長寿」
通年
45.麻の葉
あさのは
「魔除け」
「健やかな成長」
通年

植物模様の着物の意味 ~春の植物模様~

1.さくら模様 の着物の意味

日本を代表する花である桜。

年の始まりである春に咲く桜模様は、「物事の始まりに縁起が良い模様」とされています。

また桜の「さ」は「稲の神」を、「くら」は神のいる場所である「神座」を意味しているため、五穀豊穣を表し、「豊かさ」「繁栄」を象徴すると言われています。

◆いつ着られる?

実写に近いデザイン桜のみ描かれている着物は3~4月ごろ着用しましょう。

デザイン化されていたり、紅葉・楓・菊など他の季節の植物と一緒に描かれている着物はオールシーズン着用することができます。

また桜は日本を代表する花のため、オールシーズン着用しても良いという考え方もあります。

2.牡丹ぼたん模様 の着物の意味

牡丹は多重の花びらをもつ花で、古くから「花の王様」「百花の王」と呼ばれています。

牡丹模様の意味は「高貴」「富貴」「幸福」などで、良い前兆の顕れとして吉祥文様きっしょうもんようとされています。

また日本では昔から「立てば芍薬しゃくやく、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉がありますが、「立っても座っても、また歩いても、姿が艶やかで魅力的な美人」という意味で、女性の美しさを表した花とも言われています。

◆いつ着られる?

実写に近いデザイン牡丹のみ描かれている着物はに着用しましょう。

デザイン化されていて、他の模様と一緒に描かれている着物はオールシーズン着用することができます。

3.ふじ模様 の着物の意味

紫色の垂れ下がる花が美しい、ゴールデンウィーク頃に咲き誇る花木です。

古来日本では、藤の花の紫色は高貴な色とされています。

藤は繁殖力が強く、他の樹木に絡みながら伸びていくこと、不死と同じ響きであることから、「長寿」「子孫繁栄」の象徴とされています。

◆いつ着られる?

実写に近いデザイン藤のみ描かれている着物は、ちょうど藤が咲く4~5月頃に着用しましょう。

デザイン化されたり、総柄の着物はオールシーズン着用することができます。

植物模様の着物の意味 ~夏の植物模様~

4.紫陽花あじさい模様 の着物の意味

紫陽花模様としての意味は、紫陽花の花は、花びらが寄り集まって1つの花として咲くことから、「和気あいあい」「家族団らん」という意味を持ちます。

紫陽花は雨の時期を連想させ、涼しげなイメージがあるで、浴衣の定番の柄となっています。

◆いつ着られる?

紫陽花が咲く6~7月ごろ着用しましょう。

着物は季節を少し先取りするのがおしゃれですので、梅雨よりも少し早めに着ると良いでしょう。

5.百合ゆり模様 の着物の意味

見ごろはは5月~8月で、白やピンク、黄色などの香りの強い大ぶりの花を咲かせます。

百合はキリスト教では「聖母マリアの象徴」と言われ、古くから「母性の象徴」とされてきました。

百合模様は「高貴」「威厳」という意味があります。

大きく華やかな百合の花は、古典的な花柄とはまた違った雰囲気を楽しめます。

◆いつ着られる?

百合が咲く5~8月ごろに着用するのをおすすめします。

ただし、洋花着る季節を問わないとも言われますので、オールシーズン着用しても問題はありません。

6.朝顔あさがお模様 の着物の意味

朝顔と聞くと「夏の花」「小学校で栽培する植物」というイメージがありますよね。

実は俳句の世界では朝顔は秋の季語として使われ、ときには秋の七草の1つとされることもあります。

朝顔模様は、支柱など近くのものにツルを巻きつける姿から「愛情」「固い絆」、朝に咲いて昼にはしぼんでしまう短命な花であることから「はかない恋」という意味があります。

◆いつ着られる?

朝顔は夏に咲く代表的な花のひとつですので、に着用しましょう。

涼しげで浴衣でも定番の模様です。

7.向日葵ひまわり模様 の着物の意味

向日葵は7月~9月に太陽のような大輪の花をつける花です。

太陽が移動することによって向日葵も花の向きを変えることから、「日廻り(ひまわり)」と呼ばれていました。

向日葵模様の意味は、太陽に向かって花が咲く様子から「憧れ」「情熱」「あなただけを見つめる」など。

◆いつ着られる?

向日葵も夏を代表する花のひとつです。

イメージ通り、に着用するのをおすすめします。

植物模様の着物の意味 ~秋の植物模様~

8.桔梗ききょう模様 の着物の意味

秋の七草のひとつです。

実は、桔梗の野生種は年々減少し、今では絶滅危惧種に指定されています。

桔梗の名前は「更に吉」という語呂合わせで縁起をかついだという説もあるため、縁起の良い柄です。

また桔梗の模様は五芒星を表しており、五芒星は「魔を祓う強い力」があるとされています。

◆いつ着られる?

残暑の厳しい時期に着用しましょう。

涼しい秋を先取りするのがおしゃれです。

9.撫子なでしこ模様 の着物の意味

撫子は秋の七草のひとつで、世界中に分布し、古くから品種改良が続けられてきました。

「撫でたくなるほどかわいらしい花」という意味で撫子と名付けられ、撫子の花言葉は「無邪気」「純愛」です。

おしとやかで美しい日本女性をたたえる大和撫子やまとなでしこという言葉は現代でも盛んに使われていますね。

◆いつ着られる?

撫子の花が咲く8~9月ごろに着用しましょう。

10.はぎ模様 の着物の意味

草冠に秋で「萩」です。

秋の植物といえば「萩」であることから名前がついたようです。

小さく丸い3つの葉が特徴的です。

花をたくさんつけることから、「繁盛の縁起物」とされ、貴族たちは屋敷の庭に植え、秋の風情を楽しんだそうです。

◆いつ着られる?

残暑が厳しい時期に、涼しい秋を先取りして着用しましょう。

11.きく模様 の着物の意味

菊は皇室の紋にも使われている日本を象徴する花のひとつです。

菊は咲き方、花の色ともにバリエーション豊富で、大ぶりで花芯が見えないほどたくさんの花びらを付けるものもあれば、小さく一重の風情ある菊もあります。

菊模様には「高貴」「高尚」「延命長寿」「邪気払い」「心身の安定」などの意味があります。

◆いつ着られる?

菊が咲く季節はですが、菊模様は「春の蘭」、「夏の竹」、「冬の梅」とともに四君子しくんしと呼ばれる格の高いおめでたい柄縁起のいい吉祥文様であるため、季節を問わず、オールシーズン着用できます。

12.紅葉もみじ模様 の着物の意味

よく似た紅葉と楓ですが、実は植物分類上は同じ植物で、切込みが深いものをモミジなどと見た目で呼び方を変えています

楓は「長寿」を表します。

また季節により色を変え、美しい色で人を喜ばせてくれることから「世渡りがうまく幸せになれる」という意味があります。

◆いつ着られる?

紅葉前の「青もみじ」のデザインの着物は5月~夏ごろ赤く紅葉したもみじのデザインの着物はとともに描かれた桜楓おうふうオールシーズン着用できます。

植物模様の着物の意味 ~冬の植物模様~

13.椿つばき模様 の着物の意味

椿は古くから庭木として親しまれている、日本の冬を代表する花木のひとつです。

葉の光沢が美しいことから「艶葉木」が語源となっています。

また古来から悪霊を払う力があると考えられ、聖なる木として好まれてきました。

◆いつ着られる?

実写に近いデザインで椿のみ描かれた着物はに、デザイン化されたり総柄の着物はオールシーズン着用できます。

14.うめ模様 の着物の意味

梅の花といえば、春の訪れをつげる花木ですよね。

厳しい冬を耐え忍び、春一番に美しい姿を見せてくれる梅の花。

梅模様は「忍耐力」「美」を意味する、美しく力強い模様です。

◆いつ着られる?

実写に近いデザインだったり梅のみ描かれた着物は冬のうちでも、梅が咲く1~2月ごろに着用しましょう。

デザイン化されたり、他の柄と一緒に描かれた着物はオールシーズン着用できます。

15.まつ模様 の着物の意味

松の緑色は常盤色ときわいろであることから松を常盤木ときわぎと呼び、千年の齢を保つ吉祥樹とされています。

そのため松模様は慶事ばかりでなく年中用いられます。

枝や幹とともに実写的に描かれた「老松」、三つの枝が描かれた「若松」、笠のように折り重なってデザイン化された「笠松」、放射状の松葉を上から見たデザインの「唐松」など様々な模様があります。

松は長寿節操の象徴神聖な模様とされ、「威厳」「長寿」「子孫繁栄」の意味が込められています。

◆いつ着られる?

松模様の着物はオールシーズン着用できます。

16.松葉まつば模様 の着物の意味

松葉模様は松の葉を文様化したものです。

江戸時代には、「生類憐れみの令」で有名な江戸幕府5代将軍の徳川綱吉の定め紋だったため、一般の使用は許されていませんでした。

松葉模様には、落ち葉になっても二本の葉の根元がしっかりと繋がっていて、離れ離れにならないということから縁起ものの模様で「夫婦円満」を意味します。

◆いつ着られる?

松葉のみが描かれた着物はに、松葉の総柄の着物はオールシーズン着用できます。

生物模様 の着物の意味

17.つる模様 の着物の意味

「豊かな生命力」「長寿」を象徴する縁起の良い鳥である鶴は、長寿を祈ったり祝ったりするシーンにふさわしい模様です。

瑞雲との組み合わせも多く、折り紙の鶴が描かれた「折り鶴」、鶴が羽を広げたデザインの「鶴丸」、鶴が群れで飛んでいる様子が描かれた「飛鶴」など様々なデザインのものがあります。

一度つがいになると一生添い遂げるという鶴の性質から「夫婦円満」の象徴にもなっており、婚礼の場にも合う模様です。

◆いつ着られる?

鶴模様はおめでたい柄なので、オールシーズン着用できます。

18.鳳凰ほうおう模様 の着物の意味

鳳凰は中国から伝わった想像上の幸運を呼ぶ獣で、麒麟、龍、亀とともに四瑞しずいとされてきました。

鶏のような頭、鶴のような五色の羽、孔雀のような長い尾羽をした華やかで美しい姿として描かれています。

「平和と幸福」のシンボルだと考えられており、また鳳凰の卵は不老長寿の妙薬とされているため、「不老長寿」「若返り」の意味も込められています。

◆いつ着られる?

鳳凰模様はおめでたい模様なので、オールシーズン着用できます。

19.うさぎ模様 の着物の意味

うさぎは月の使いと言われることから、「ツキを呼ぶ」縁起の良い動物と信じられています。

その動きからは「跳躍」「飛躍」を意味し、子沢山なことから「豊穣」「子孫繁栄」の象徴とされています。

また坂を上るのが早いことから「物事がとんとん拍子に進む」という意味もあり、縁起の良い柄です。

◆いつ着られる?

とともに描かれたうさぎの着物は、中秋の名月に着用しましょう。

うさぎのみ描かれた着物であればオールシーズン着用できます。

20.ちょう模様 の着物の意味

芋虫からさなぎ、そして蝶へと大きく姿を変える蝶は、神秘的な生物として「不死のシンボル」となり、武家の家紋にもなっています。

また美しい蝶へと成長する様から、「健やかな女性への成長」という意味もあります。

蝶は産卵期にはつがいで仲睦まじい姿から、「夫婦円満」を表すと言われる一方、地域によっては、花から花へと飛んで移る「移り気なもの」といった見方もあり、結婚式に用いるには注意が必要との考え方もあります。

◆いつ着れる?

花々とともに描かれた蝶の着物はに着用しましょう。

蝶のみ描かれた着物であれば、オールシーズン着用できます。

21.千鳥ちどり模様 の着物の意味

千鳥模様は水辺で群れをなしている千鳥をモチーフにした模様です。

千鳥は水辺に生息する鳥なので、波とともに描かれることが多いです。

千鳥が波の上を飛ぶ姿から「荒波と一緒に乗り越える」という意味の他に「勝負祈願」「家内安全」という意味もあります。

よく洋服のデザインにもなっている「千鳥格子」という柄は、鳥が飛んでいるように見える様子から名前がつけられたとされています。

◆いつ着られる?

波とともに描かれている千鳥模様の着物はに着用すると、涼しげでおすすめです。

千鳥のみ描かれている着物はオールシーズン着用できます。

吉祥文様きっしょうもんよう の着物の意味

縁起が良いとされる文様(=模様)の総称です。

種類は数十種類にもなり、鳳凰七宝麻の葉も吉祥文様です。

ここではいくつかピックアップしてご紹介します。

22.松竹梅しょうちくばい模様 の着物の意味

松竹梅は文字の通り、松・竹・梅の植物をセットで描いた柄で植物それぞれが意味を持っています。

松は「長寿」「生命」の象徴、竹は「成長」「子孫繫栄」、梅は「忍耐力」「女性の強さ」

縁起の良い模様とされ、「長寿」「忍耐力」「生命の誕生」という意味を持ち、古くから親しまれている模様です。

◆いつ着られる?

松竹梅は「寒さに耐える」という意味があるため、に着用することをおすすめしますが、縁起の良い模様のため、オールシーズン着用できます。

中でも子どもの健やかな成長を願うお宮参り七五三入学式卒業式はもちろん、梅の「産む」の語呂合わせから安産祈願として結婚式などにも合う模様です。

23.宝尽たからづくし模様 の着物の意味

宝尽くし模様は縁起の良いものを寄せ集めてお祝いの気持ちを表す模様です。

七五三や振袖などおめでたい着物によく用いられます。

それぞれの模様の意味は上段左から
隠笠かくれがさ「危険から身を守る」「病や災難から身を隠す」
宝巻ほうかん「知識のよりどころ」「知恵や知識の象徴」
・軍配:「采配の決定」
隠蓑かくれみの「危険から身を守る」「秀でた才能を得られる」
・宝珠:「願いを意のままにする」

中段左から
金嚢きんのう「富を生む」「積み重ねた苦労も福を成す」
宝鑰ほうやく「福徳」
・打出の小槌:「願いをかなえる」「敵を倒す」
分銅ふんどう「非常時に困らない」

下段左から
丁子ちょうじ「不老不死」「健康」
七宝しっぽう「人と人の関係が無限につながる」「子孫繁栄」「円満が続く」
・梅:「忍耐力」「女性の強さ」
・松:「長寿」「生命力」
・竹:「成長」「子孫繫栄」

◆いつ着られる?

おめでたい模様としてオールシーズン着用できます。

またお正月などおめでたい時にピッタリな模様です。

24.貝桶かいおけ/貝合わせ模様 の着物の意味

「貝桶」とは「貝合わせ」という遊びの道具を入れておく、美しい入れ物のことです。

「貝合わせ」とはハマグリなどの貝の内側に絵や金箔で装飾を施して、対になる貝を探す貴族の遊びです。

今でいう、トランプの神経衰弱のようなものですね。

ハマグリなどの2枚貝は同じ貝殻としかぴたりと合わないことから「夫婦円満」「相性ぴったりの人と巡り会える」という意味があります。

そのため江戸時代には貝合わせは嫁入り道具の一つでした。

◆いつ着られる?

貝桶、貝合わせ模様はおめでたい柄としてオールシーズン着用できます。

25.御所車ごしょぐるま模様 の着物の意味

御所車とは、平安時代に貴族が使っていた乗り物です。

王朝文化を象徴する模様として、「高貴」「みやびといった意味があります。

御所車に花が飾られている「花車」になると「幸せが溢れる」という意味に代わります。

また車輪のみだと「源氏車」となり、どこまでも回転することから「縁起の良さ」を象徴しています。

◆いつ着られる?

おめでたい雅な柄のため、オールシーズン着用できます。

26.まり模様 の着物の意味

昔からある地方では、女の子が生まれると「魔除け」として鞠を贈る習慣がありました。

女性らしさ、可愛らしさを象徴する模様です。

「なにごとも丸く収まる」「弾むような幸せがいつまでも続く」「子どもが丸々と育つように」という意味が込められています。

◆いつ着られる?

おめでたい柄のためオールシーズン着用できます。

27.つづみ模様 の着物の意味

つづみとは日本の伝統的な能楽の調べで用いられる打楽器です。

和楽器は教養の象徴であり、「技芸の上達を願う」柄とされています。

「音が鳴る」と「物事が良く成る」をかけて、「成功」を意味します。

また「美しい音色が鳴る」と「見事な実がなる」という意味にかけて、「豊作」も意味します。

◆いつ着られる?

鼓模様は縁起の良い柄なので、オールシーズン着用できます。

28.おうぎ模様 の着物の意味

扇は末広がりの形をしているため、「繁盛」「開運」のモチーフとしておめでたい柄のひとつとなっています。

また末広がりは「未来への展望が明るい」という意味もあります。

扇は扇面せんめん扇子せんすなどと呼ばれることもあり、扇に貼る紙のことは地紙じがみといいます。

◆いつ着られる?

おめでたい柄のため、オールシーズン着用できます。

29.矢絣やがすり模様 の着物の意味

矢絣模様は、元々は矢羽根をモチーフにした絣織物かすりおりもののことでした。

絣織物とは絣糸を用いて模様を表した織物技法のことで、かすれ具合が特徴です。

現在では矢羽根モチーフの模様を矢絣模様と呼んでいます。

弓矢は昔から武具としてだけでなく、神事にも用いられたことから、矢羽根モチーフには「邪気」「厄災を払う」破魔矢の意味があるとされています。

また一度放った矢は真っすぐに飛んでいって戻ってくることがないため、江戸時代には「出戻らない」の意味を込めて、嫁入り道具に矢絣模様が使われていました。

◆いつ着られる?

矢絣模様はおめでたい模様のため、オールシーズン着用できます。

矢絣模様と言えば、袴に合わせる定番の柄というイメージもあるかと思いますが、明治~大正時代にかけて女学生の間で流行してから現在に至るまで人気の柄です。

30.熨斗のし模様 の着物の意味

熨斗模様とは細長い帯状の模様のことです。

熨斗はもともと、あわびの肉を薄くはいで引き延ばして乾燥させた「のしあわび」のことでした。

「延寿」を象徴するものとして、細長く折りたたんだ熨斗紙に包み、贈り物や引き出物に添えていました。

熨斗模様には束熨斗つかねのしという細長い帯状の熨斗を数本まとめて中央で束ねた模様も良く用いられます。

たくさんの熨斗を束ねることから、「多くの人たちから祝福を受ける」「人と人の繋がり」「長寿の象徴」という意味があります。

◆いつ着られる?

熨斗模様・束熨斗模様はおめでたい柄としてオールシーズン着用できます。

31.くす玉模様 の着物の意味

薬玉くすだまとは、薬草、香草、香料などを錦の袋に詰めて様々な花の飾りをつけ、五色の糸を垂らした入れ物のことです。

よもぎや菖蒲しょうぶ、沢山の花で飾り付けた薬玉を模様化したものです。

「延命長寿」「無病息災」の願いが込められた模様で、女の子のお宮参りや七五三、振り袖に多く用いられている可愛らしい模様です。

◆いつ着られる?

くす玉模様はおめでたい柄なので、オールシーズン着用できます。

32.七宝しっぽう模様 の着物の意味

七宝模様は円をずらして重ねて作った幾何学模様です。

左右上下に円がいくつも重なって繋ぎ合わせていく模様は“七宝繋ぎ”とも言われ、縁起がいい吉祥文様とされています。

七宝模様は特徴的な円形から「円満」「ご縁」「調和」などの意味が込められています。

◆いつ着られる?

七宝模様はおめでたい柄なので、オールシーズン着用できます。

33.花丸はなまる模様 の着物の意味

花丸模様は円の中に植物をおさめたものと、一枝一茎を円状にデザインしたものの2つのパターンがあります。

円には、はじまりもおわりもない“無限”という意味があり、「永遠に続く幸せ」を表現しています。

また円は“縁”を連想させるため、花嫁衣装にも好まれます。

◆いつ着られる?

花丸模様はおめでたい柄のため、オールシーズン着用できます。

34.唐草からくさ模様 の着物の意味

唐草模様はつる草が四方八方に伸びて絡み合う、強い生命力を象徴する模様で、吉祥文様のひとつです。

緑色の背景に白の唐草模様は、泥棒が担いでいる風呂敷というイメージがあるのではないでしょうか?

この配色の唐草模様は「獅子舞の被り布」にも使われている柄なので、大きな風呂敷を担いでいても怪しく見えにくいことから、泥棒が愛用するようになったようです。

唐草模様はつる草が伸びる様子から「子孫繁栄」「長寿」「永遠の躍動」「豊穣」を意味します。

唐草模様は、松、菊、梅、牡丹など本来つる草のない植物と組み合わせて描かれることが多いです。

◆いつ着られる?

季節に左右されず、おめでたい吉祥文様のため、オールシーズン着用できます。

有職文様ゆうそくもんよう の着物の意味

有職文様とは平安時代の公家の装束や調度品に用いられた独自の優美な模様の総称です。

35.ひし模様 の着物の意味

菱模様は、古くは縄文土器にあり、水草のヒシの葉や実の形をモチーフにしたとされる自然に生み出された単純な形です。

ヒシは繁茂しやすいことから「子孫繁栄」「無病息災」という意味が込められています。

また菱という形には「豊かさの象徴」という意味もあって、武田信玄の家紋でもある“武田菱”のひし形は田んぼを表しているそうです。

菱模様はバリエーションも多く、その数は数千もの種類があるとも言われています。

◆いつ着られる?

季節の模様ではないため、オールシーズン着用できます。

他の模様と一緒に描かれている場合は、他の模様に合わせます。

36.市松いちまつ模様 の着物の意味

市松模様は2色の四角形色違いに並べた模様で、チェック柄と同じ模様です。

アニメ「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎が着用していて特徴的ですよね!

市松模様は、その柄が途切れることなく続いていくことから、「繁栄」の意味が込められています。

また「繁栄」から、「子孫繁栄」「事業拡大」などを意味することもあります。

◆いつ着られる?

季節に左右されない模様なので、オールシーズン着用できます。

37.亀甲きっこう模様 の着物の意味

亀の甲羅のような六角形の模様が亀甲模様です。

亀甲模様もバリエーションが多く、亀甲を連続して描いた「亀甲つなぎ」、三つ組み合わせた毘沙門亀甲びしゃもんきっこう、中に花を描いた「亀甲花菱」などがあります。

亀の甲羅に似ていることから「長寿」や縁結びで有名な出雲大社の神紋にも見られることから「良縁を結ぶ」という意味もあります。

◆いつ着られる?

季節に左右されない模様なので、オールシーズン着用できます。

38.立涌たてわく模様 の着物の意味

立涌模様は2本の曲線を用いて、水蒸気が涌き立ち上っていく様子を表した模様で、「運気を上げる」という意味がある模様です。

曲線の膨らんだところにのモチーフを入れた雲立涌波立涌などいくつかバリエーションがあります。

花嫁衣裳の白無垢掛下に使われたり、歴史的な屏風能の装束にも用いられている模様です。

◆いつ着られる?

立涌模様は格式高い、縁起の良い模様なのでオールシーズン着用できます。

自然模様 の着物の意味

39.雪輪ゆきわ模様 の着物の意味

雪輪模様は、雪の結晶を模様化したもので、冬はもちろん、夏に涼しさを感じさせるような模様です。

春の豊富な雪解け水を意味するところから「豊作をもたらす」という意味があります。

輪郭のなかに別の模様をいっぱいに詰め込んだ豪華なデザインにしたり、様々なバリエーションがあります。

◆いつ着られる?

実写的に描かれていたり、冬の草花と一緒に描かれている着物はに、また「涼しさ」のモチーフとしてに着用することもできます。

デザイン化されていたり、総柄の着物はオールシーズン着用できます。

40.青海波せいがいは模様 の着物の意味

青海波模様は、半円を重ねたものをうろこ状に並べて、無限に広がる波を表した模様です。

「未来永劫へと続く幸せ」「平安な暮らし」への願いが込められた吉祥文様のひとつで縁起の良い模様です。

◆いつ着られる?

季節に左右されない模様のためオールシーズン着用できます。

41.流水りゅうすい模様 の着物の意味

流水模様は絶えず留まることなく一瞬で消えてしまう流れる水の様子を表した模様です。

流れる水は濁ることなく常に清らかであること、苦難や厄災を流しさることから、吉祥文様のひとつとなっています。

物事のはじまりが絶えないことから「おめでたいことが続く」「苦難や厄災を流す」という意味があります。

流水模様はあまりメインで使われる模様ではなく、他の模様との組み合わせが多い模様です。

◆いつ着られる?

流水模様のみで描かれている着物は、に着用すると涼しげです。

桜や紅葉など季節の模様と一緒に描かれている着物は、他の模様の季節に合わせましょう。

42.瑞雲ずいうん模様 の着物の意味

瑞雲とは、中国の神仙思想に影響を受けた模様で、おめでたいことがある前兆に現れる雲を模様にしたもので、吉祥文様のひとつです。

「不老不死」「良いことが起こる前兆」という意味があります。

◆いつ着られる?

おめでたい吉祥文様なので、オールシーズン着用できます。

幾何学模様 の着物の意味

43.籠目かごめ模様 の着物の意味

籠目模様は竹で籠を編んだ編目の模様です。

六芒星が連続しているようにも見えることから鬼が嫌う「魔よけ」「邪気払い」の模様されています。

◆いつ着られる?

籠目のみのデザインの着物はオールシーズン着用できます。

44.紗綾形さやがた模様 の着物の意味

紗綾形模様はという漢字を斜めに崩してつなげた模様です。

「卍」は仏教用語で「宇宙」「無限」、キリスト教では「幸福」「力」、古代中国では「幸福」「功徳」という意味を持ちます。

そこから紗綾形は絶えることがなく長く続くという「不断長久」「家の繁栄」「長寿」を意味します。

メインでわかりやすく模様が入っているというよりは、地模様としてよく見ると入っているというように使われています。

◆いつ着られる?

季節に左右されない模様なのでオールシーズン着用できます。

45.麻の葉あさのは模様 の着物の意味

アニメ「鬼滅の刃」の主人公の妹・竈門禰豆子が着用していて、印象的な模様ですよね。

昔、「麻」は神聖な植物として神事に用いられ、生まれてきた赤ちゃんには「魔除け」の意味を込めて麻の葉模様の服を着せる風習がありました。

また麻は4ヶ月で4mにもなるほど成長が早く、子どもの「健やかな成長」を願う意味も込められています。

◆いつ着られる?

季節に左右されない模様なのでオールシーズン着用できます。

まとめ

いかがでしたか?

着物の模様の意味を理解して、適したタイミングで着たいですね。

この記事が参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

20代後半のOLで、裏千家で茶道を始めて10年ほどになります。
お菓子が食べたくて入った茶道部から10年…。
現在もゆるゆると続けています。
茶道を始めて1番よかったことは、一生の趣味を見つけたこと!
やればやるほど、奥が深くておもしろい世界です。

私の記事が少しでも参考になれば幸いです(*^^*)

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